Royの洋画鑑賞日記

鑑賞した洋画の感想を載せてます。

年に一度の『ダイ・ハード』day(2017-12-24)

今日は12月24日。何の日かわかりますか?そうです、『ダイ・ハード』の日です。そこで今回は、クリスマス映画の定番であるこの作品を紹介します。

 

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タイトル:『ダイ・ハード

公開:1988年

監督:ジョン・マクティアナン

出演:ブルース・ウィリス

        アラン・リックマン

        ボニー・ベデリア

        レジナルド・ヴェルジョンソン

        アレクサンダー・ゴドノフ

 

大まかな内容は、数十人の人質をとって高層ビルに立てこもったテロリスト集団に、たまたま居合わせた一人の刑事が立ち向かうというもの。

 

1988年に公開された今作は、当時無名だったブルース・ウィリスアラン・リックマンを一気に有名にしましたが、それだけの魅力が詰まりに詰まってるので、それを以下で紹介していきます。

 

魅力その1…完全無欠ではないヒーロー

 

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当時、アクション映画の主人公というのは、筋肉ムキムキで、自分は一切負傷せず敵を粉砕するというのが当たり前でした(シュワちゃんの『コマンドー』なんかはその典型ですね)。そこに新たなヒーロー像を確立したのが、今作でブルース・ウィリスが演じたジョン・マクレーンなのです。

 

愚痴や弱音や吐きまくりで、敵の攻撃だってバンバン受ける。しかし、決して最後まで諦めない。とにかくしつこく敵に食らいつき、正面からではなく頭を使って敵を一人ずつ倒す。そういう等身大のヒーロー像こそが、マクレーンの最大の魅力なのです。

 

魅力その2…紳士的な悪役

 

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これまた当時のアクション映画の話になるのですが、アクション映画の悪役といえば、いかにもなキャラが当たり前だったのです。下品な笑い声を上げたり、正面から主人公を挑発するような。

 

しかし、今作でアラン・リックマン(ちなみに、今作がハリウッドデビュー)が演じたハンス・グルーバーは、そんな悪役像とは正反対のキャラなのです。

 

ハンスは、いかなる場合も冷静で、声を荒げるということをしません。また、統率力や咄嗟のアドリブも優れており、頭も切れます。さらにはスーツまで着ており、外見はさながらビジネスマン…というように、当時の悪役では考えられないようなキャラクターを、リックマンは演じきったのです。

 

この、完全無欠ではないヒーロー、紳士的な悪役というのは、以降あらゆる作品で見られるようになりました。その先駆けこそが、今作のマクレーンとハンスなのです。

 

魅力その3…人物描写の細かさ

 

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今作は2時間超えの作品なのですが、舞台の大半はビルの中だけなのです。普通なら絶対に飽きてしまいそうですが、今作に関しては決してそのようなことはありません。それは、前述の「頭を使って敵をコツコツ倒していく」というマクレーンの戦い方も大きな要因の一つですが、脇役の人物描写が細かいというのも多分に影響しています。

 

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こちらはボニー・ベデリアが演じたホリー(今作では画像よりかなり若いです)。バリバリのキャリアウーマンで、そのためにマクレーンとは別居しています。非常に頭が良く、テロリストに囲まれた極限の状況でも、騒いだりしません(ここも、当時のアクション映画のヒロインとは一線を画します)。

 

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こちらは、レジナルド・ヴェルジョンソンが演じたアル・パウエル。本来味方であるはずの地元警察やFBIがマクレーンに非協力的な中、唯一マクレーンの味方をする、いわば相棒的存在です。過去にあるトラウマがあり、それが今作にも関係してきます。

 

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こちらは、ウィリアム・アザートン演じるリチャード・ソーンバーグ。テレビ局のリポーターなのですが、性格が悪く、今作の嫌われ役その1です。また、その嫌われる演技が板につきすぎて、アザートンは私生活でも一般人から馬鹿にされたとか。ちょっと可哀想ですね(笑)

 

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こちらは嫌われ役その2。ポール・グリーソン演じるロビンソン。地元警察のお偉いさんですが、とにかく無能。やることなすことがテロリストの思惑通りで、マクレーンと観客を苛立たせます(笑)

 

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そして忘れてはならないのが、アレクサンダー・ゴドノフが演じたテロリストのナンバー2、カール。とあることでマクレーンに恨みを持ち、劇中では幾度となく激戦を繰り広げます。

 

とまぁこのように、今作では魅力的な登場人物が多数登場するので、閉鎖空間が舞台でも一切飽きないわけですね。ちなみに…

 

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テロリストの一人として、やられ役で有名なアル・レオンも出てます(笑)

 

魅力その4…ブルース・ウィリス

 

実は今作は、当初『コマンドー』の続編として計画されており、その流れで主役はシュワちゃんの予定でした。しかし、シュワちゃんに断られたため、やむなく脚本を一新したのですが、主役候補はスタローン、リチャード・ギアアル・パチーノ等そうそうたる面子。しかし、当時若手だったブルース・ウィリスに白羽の矢が立ったのです。

 

見事主役に抜擢されたウィリスは、前述の完全無欠ではないヒーローを見事に演じみせ、押しも押されもせぬスーパースターの仲間入りを果たします。もし、今作の主役がウィリス以外だったら、今のウィリスはいないかもしれませんね。ウィリスは演技派の俳優ですが、未だに代表作として今作が挙げられるのも、ある種仕方のないことかなぁと思います。

 

では、今日はこの辺で。